Saturday, December 26, 2009

◎White Gift・Write Gift


今年のクリスマスツリーは
鳥居坂Majestyと元麻布Royal GardenにColoradoから届く。
どちらもしっかりとした枝葉が生き生きとしていて美しい。




2009年のクリスマス、今年も幸福なGift- 贈りものに恵まれる。
今年もこの季節になんと心あたたまる感謝に満たされたことだろう。

『純粋贈与』という精神の源流こそがポスト資本主義の根本として
とても気になっている。人の心に触れて新たに高度成長へと向かう
その限りない恩恵。

www.hibiya-patio.jp/hibiyakari/art/0912lisavogt/

日比谷パティオは日比谷公園のお向かい三井ビルのおとなり。
かつて三信ビルという
コロニアル風の瀟洒なビルがあったところ。

三信ビルが耐震構造に弱いという理由により
2年前にすっかり解体されてしまった時には
ほんとうに悲しかった。

学生時代からよく散歩をしたビルだった。
吹き抜けのアーチの天井には
もともと黄道十二宮の星座が描かれていたり
独特の空気感があふれる
味わいある日比谷のランドマークだった。

そのぽっかりと何も無くなってしまった跡地に
忽然と出現したのが
日比谷パティオという名前のコミュニケーションスペース。

教育仕事関連でお世話になっている
電通ヒューマンリソースの豊島さん・杉本さんのご紹介で
リサの写真展を今年の師走の一ヶ月
クリスマスギフトとして展開させていただいた。

とりわけ夜の佇まいが美しいスペースをお与えいただく。



ギャラリースペースは貨物車のコンテナ一台分。
初めにここにどのような作品展示をしたらよいかとても悩んだ。

大きな写真パネルは持ち込もうとしてもどうもなじまない。
日頃は無人のギャラリースペースとなるので
どなたにもゆっくりとお楽しみいただくのには
どのようにしたらいいか。

目をつむってよーくヴィジョンしてみた。

はじめにタイトルが降って来た。

『LISA VOGT 's White Gift』

そう、昨年の今頃はニューヨークのセントラルパーク近く
カーネギーホールお向かいのNIPPON ギャラリーで
同じタイトルのWhite Gift 写真展を行なっていたのだった。

http://mcplanning.blogspot.com/2009_01_04_archive.html#4051144875752505593

ニューヨークのクリスマスに世界中から集まった人たち。
大人も子供も皆あたたかなメッセージを寄せてくれた
心を真っ白にしてクリスマスシーズンに交歓するギフト。

そうして、もう一度目をつむってよーくヴィジョンしてみた。

ふっと小学校の頃に教室で学んだ木の机と椅子が目に浮かんだ。

なぜだろう?ちょっと考えた。

そうだ。
ランドセルを背中にしょって学校に通った子供の頃の日々。
小学校2年生の頃だったと思う。

登校途中に歩きながら友達が
「サンタクロースっていると思う?」とふいに尋ねてきた。
確かにクリスマスイブの日のことだった。

「?」

不意な質問に答えられずにまごまごしていると
ちょっとだけ大人のような口ぶりで
その子はしっかりと諭してくれたのだった。

「プレゼントをもってくるのはお父さんやお母さんなんだよ。
 サンタクロースなんていないんだから。私見ちゃったんだ。」

そう言われて当時の私が瞬間何を思ったのかは記憶にない。
きっと立ち止まって友達とちょっとやりとりしたのだろう。
小学校に向かう途中の商店街のある一角でのできごと。
その景色がいま、鮮やかに思い出される。
プラスティックでできたピンクや黄色の色とりどり
賑やかな歳末の商店街の飾り付けが寒風に揺れていた。

信じていたい何かが奪われてしまう感じがあって
でも確信に満ちた友人の話しにも説得力があって
立ち止まってしばらく考えて。
そしてようやく
「でもやっぱりサンタクロースがいたらいいな。」
そんなことを話したのだったと思う。

そのまま大人になった私は
今もそのままの思いでいる。

あの頃の
そして今もかわらない思いを
リサと共にひそやかに小学校の机と椅子に託すことにした。

色は白。そうだ真っ白いペンキで塗り上げよう。

幸い天才ネットショッパーリサがオークションで
東北の山奥の学校から頒布されていた
かわいらしい机と椅子を入手。
目に浮かんだイメージどおりのサイズ&ディテールだった。

リサが北極で撮影してきた
地球の極北からの真っ白い世界の贈りもの。

White Gift の写真を見て・感じて・そして心が動いたら
ぜひかけがえのないたいせつなもの・ひと・ことへの思いを
その椅子に腰掛けて机の上でメッセージを寄せていただこう。
そう考えた。

そこに座れば大人も子供も何か真っ白になれるような時空間。

皆がお互いに
優しい気持ちになったり愛おしく思えるようになって
夢や希望を叶えるサンタクロースになれたならいいと思う。

そこでオフィスの大きなグランドベガモニターを持ち込み
リサが今年Coloradoの写真展の時に赴いた大自然の聖地
Crestoneで瞬時にMacで制作した動画をローディング。
北極の世界にリサが見て感じ取った音と映像のイメージを横溢に
これまで世界中の方たちからお寄せいただいたメッセージを
天から降り注ぐようにしつらえて
そのまわりにリサの写真集と作品をぐるりと用意。

制作にはギャラリーエークワッドの皆さんにご協力いただき
岡部三知代さんにもまたもやたいへんお世話になる。
コンテナギャラリーの木の床にとてもマッチしたブックシェルフ
『燦架(さんか)』は二期リゾート石渡美優さんにご提供の労を
いただいた。皆様、ほんとうにありがとうございます。







会期中にときおり会場をそーっとたずねてみた。
とてもうれしいことにたくさんのメッセージが寄せられている。
一枚一枚を愛おしく拝読する。










長時間そこにじーっとたたずんで過ごしてくださる方も多かった。



ご家族で対話を弾ませてくださる方もあって嬉しいひととき。



エンジェルたちもたくさん来訪。
お母様やお父様と共に描いてくださる力作も多く寄せられる。
未来の光を映し出す瞳の輝きは最高のギフトだと想う。




クリスマスイブの聖夜
SHUMEI INTERNATIONALの田代さんからお送りいただいた
秀明自然農法のすばらしいおみかんをぎゅーっと絞って
最高に贅沢なジュースをいただいた。



そのみずみずしくも豊潤なる味わいに驚く。
生産者の方々がひとつひとつ丁寧に大地に撒く種から
愛おしんで耕作されている自然農法へのこだわり。
それは小学生の頃に味わった懐かしいみかんの味がした。
すっかり遠く忘れていた子供時代の思い出話に花が咲く。
そう子供の頃のジュースはとっても嬉しい一杯だった。

共に田代さんからいただいたお手紙は心に残るものだった。
一生大切にしたいお手紙なのでここに留め置いておきたい。


クリスマスイブまで
我が家ではいろいろ物語がありました。
まず小学4年生の長男、1年生の長女が
「パパ、サンタさんて本当にいるの?」
(実は数年前から
 この時期になると毎年聞かれているのですが)
「学校の友だちは誰も信じていないよ。
 本当はお父さんとお母さんが
 プレゼント 買っているんだろう」と。
ドキッ!! 
しかしここで親の精神性が問われているんだと思い、
「サンタさんは 絶対いるよ。
 信じている子どもたちには見えるんだ」
「サンタはお父さんやお母 さんがいなくて
 プレゼントをもらえない子どもや戦争で家がない子、
 お金がなく て何も買えない子どもたちに
 プレゼントを渡しているんだよ。
 品物だけがプレゼ ントじゃないからね」
「ふ~ん」と
 わかったようなわからないような顔をしていましたが、
 そのうち二 人はせっせっとサンタさんへの手紙を
 書き始めました。
サンタさんへのお礼「毎 年ありがとうございます」から
はじまり、自分たちのほしいもの、
最後にサンタ さんへの贈り物
「このクッキーを食べて下さい」と書かれていました。
手紙は数日前から枕元に置きますから
それを見て私と家内のプレゼント探しがは じまるのです。
(毎年当日になるのですが)
昨晩は寝る前に自分たちの枕元に
手紙とクッキーを置いて、
子どもながらにわく わくしながらやすんでいました。
いつも子どもたちが寝入ったのを確認して
プレゼントをそっと置くのですが、
昨 晩は私たちも一緒に寝てしまいました。
はっと目が覚めたら3時半、
4人の子どもたちのプレゼントをそっと置いて、
クッ キーをいただきました。
子どもたちの夢を守ることは簡単ではありませんね。
(今日は寝不足です)
子どもたちの反応はどうだったのか。
きっといつかサンタへの夢が現実になる時がくると
思いますが、その時に
“どう してうちの両親はサンタを信じているんだろう”と考え、
サンタを信じて疑わな い大人に成長してほしいなあと
願っております。


そうしてお便りにギフトの新聞記事を添えてくださっていた。



私の枕元に届くサンタクロースのギフトは
なぜかいつもバラの包みの高島屋だった。
その謎は深かったのだけれど
それでも12/25の朝目覚めて
枕元に用意されたプレゼントに
どれだけわくわくしたことだろう。

そのわくわくする心を見失わない大人でありたいと思う。
そしてそのわくわくする心を
決して奪わない社会でありたいと思う。

クリスマスイブに婦人画報2月号が届いた。
封を開ける時ほんとうにわくわくした。

実は副編集長の吉岡さんが
今回の日比谷パティオの展示をご覧くださり
15ページからの『いのちの分数』というグラビアに
3ページにわたってぜひにと
リサの写真を起用してくださったのだった。



現代日本へのアレックス・カーさんの望みを託した
エッセイと共にリサの写真が掲載されていた。
日頃リサと共に対話していることそのものが書かれていて
その共時性と共に
日本人の私達が過去・現在・未来を通観して
より大きな世界観の扉を開かなくてはならない
その重要性を心に刻む。

ニューヨークの
FUJISANKEI COMMUNICATIONS INTERNATIONAL, INC.の
大戸社長からクリスマスカードを頂戴した。
あらためて現代日本を考えさせられた。


アメリカでの生活も満4年が終わろうとしていますが、
これまでで
一番永く、一番寒い冬を経験しています。
輝きを増す街のイルミネーションとは裏腹に
景気の悪化は
一段と深刻のようです。
高級商店が軒を連ねるマディソン街にも空き店舗が
目立つようになりました。
それにも増して
最近の日米関係の冷え込みぶりには胸が痛みます。
一部には
「アメリカはそれほど騒いではいない」との説が
あるようですが、
表立った動きが出始めた時は
取り返しのつかない点を超えたときです。
巨大な爆弾にはどれくらいの長い導火線がついているのか?
もう導火線には火がついているのか?
細心の注意を払いながら、
最後の希望を棄てることなく見守りたいと思います。
2010年が皆様にとってよりよき年でありますように
心よりお祈り申し上げます。


心してあらためて手紙を繰り返し拝読する。
昨年大戸社長にお伺いしたことを思い出した。

「日本のメディアと米国のメディアの違いは何でしょう?」

その答えはただ一言だった。

「Intelligence」。

ふっとその言葉を手元で書き留め調べてみる。

Intelligence
【名】
〔高度に発達した〕知能、知性、知力
〔敵国やビジネス相手の〕機密情報、諜報
諜報活動[行為]
諜報機関[部員]
〔物理的肉体を持たない〕知的[霊的]存在

White Gift
Write Gift

ほんとうに大切なことは目に見えないという。

未来に夢や希望を見失うことなく日々の営みを
よくよく心を澄ませ眼を凝らして
想像力と創造力を鍛え重ねてゆきたい。