◯精神の止まり木。
峰はみな
しずもり
梢に
風のそよぎなく
小鳥は森に深く黙す。
夏の思い出をたどりながら
深まりゆく秋の気配に心を澄ます夜。
静かにリフレクションをめぐらすと
どこからやってくるのか意識のなかに写像が浮かぶ。
目を閉じれば天空の無数の星。
地球上の真砂の数ほどあるという星が煌めいてみえる。

私という存在はどこから来たのだったか?
私という存在はどのようなものだったのか?
私という存在はこれからどこに向かうのか?
待てしばし
やがて
おまえも憩えよう。
旅人の夜の歌は
いつでも精神の止まり木として
これまでの旅のやすらぎのよりどころだった。
知らず知らずのうちに
どれだけの日々を憩うことなく通り過ぎてしまったことだろう。
仰げば瞬間に流星が降る。

どうか憩いとともに内が満たされ
なにごとがあったとしても
逞しくすることが叶う人生の旅でありますようにと願う。
再び静かに省察をめぐらす。
再び意識のなかに浮かぶ写像を追いかける。
光があふれる。

朝の来ない夜はないという。
しずもり峰も森もあらたな光に照らし出される。



アリゾナセドナの大地のエネルギーに満ちた
熟成した赤い岩の群景と
その峰の裾野に広がる森の輝き。
そうだ。
ボルテックスと呼ばれるその岩には
ネイティブアメリカンの
安らぎの祈りが込められているのだった。
悠久の時のなかで人々はそこに
精神の憩いを得られたのだろう。
秋の夜に
灯火とともに内に憩い
やがて光射す朝を迎えて
外に向かう力も豊潤に深まりゆく季節。
ようやく立ち止まる秋。









