Wednesday, August 24, 2011

◎MOMO・GOGO



7月。
尊敬申し上げる田代隆一さんから桃をお届けいただいた。
誠にありがとうございます。

大切に大切に包まれた桃はことのほか美しく
味わうと心身に広がる生命の雫が感じられた。



香川県三豊市高瀬町の3町8反の果樹園
次田農園さんから送られてきた桃を愛でながら
そこに付記されていた言の葉に見入る。

「土に声を掛けると 土が喜び、
 土が喜ぶと 実(身)が喜ぶ、
 実(身)が喜ぶと 心が変わります。
 心が変わると 世界が平和になります。
 土を愛し、世界が変わる農業を、
 目指して、仲間たちとがんばっていきます。
                次田農園」

瀬戸内海のダイオキシン問題をきっかけに
農業のあり方を考え、1995年から
秀明自然農法をキウイ3反から始められたとある。
後に、桃などは苗木から育てられ今年で15年目。
消費者だった人たちが畑を手伝ううちに
今では農業が生活のなかに溶け込み果樹園を守って
いらっしゃるのだという。

とりわけ今年は春の低温からの開花が遅れ
アブラムシの発生などから作業がとても遅れた時
袋掛けの応援に90名からの方たちが駆けつけて
あっという間に40本の桃の木に袋をかけられ
桃の喜び・仲間の喜びに満ちた桃なのだと
教えていただく。

あたたかな桃の味がした。

その日
桃の心のままに仕事にでかけ
いつもの東京の街を俯瞰する。



昨年の8月から今年の3月まで
幾度東の空に昇る朝日の中に
すっくりと屹立する東京タワーの姿を見つめ
どれだけガヤトリーマントラの至福の中にあったことだろう。



まだその先端は3.11の地震のときに曲がったままに
その姿を残している。
見つめるといつも心の中が痛くなり
平常に戻ったかのような街中で忘れてはならないことを思い出す。



5月。
20年もの間ワークスタジオとしてさまざま編んできた
六本木鳥居坂MAJESTYを遷ることにした。

江戸時代から受け継がれた白梅・紅梅の古木の風情や
屋上から朝に夜にのぞんだ東京タワーのエレガントな輝きや
松岡正剛氏・佐治晴夫氏・的川泰宣氏・茂木健一郎氏を迎えた
20世紀の忘れものから21世紀の贈りものを探る『匙塾』
Orbの研究会など繰り返してきた『Moon Society』などの
心の糧が積層してきた時空間。

経済優先のデベロッパーの開発は街の風情や佇まいを変えていく。
樹々が次々と伐採されコンクリートの固まりになっていく。



緑陰にせまる侵蝕に心萎えて
鳥居坂からあひる坂を下り
暗闇坂を上った一本松先の緑風が吹き抜ける光の中心
元麻布に心の拠点も移すことにした。

震災後、さまざま考え込んだ。
その後、さまざまなできごとがあった。

私たちが失ったもの。
私たちが再生できるもの。
私たちが創出できるもの。

そのために新ためることに至った。

私たちにほんとうに必要なものは何なのだろう?
いえ、私たち という前に
私の ということに正直にならなくては
ほんとうのことには辿り着かないのではないか?

私の ということが
私だけの ということではなく
私の ということが
真に私だけではない私に辿り着くためには?

私はどこからきたのものだったのか?
私はいまどこにいて
私はこれからどこへゆくものなのだろう?

私とは誰であったのか?
私とは何ができるものであったのか?
私とは何とつながるものであったのか?

永年紡いできた自らの心の芯となっていた
Center for Vision の MAJESTY。
そこを離れる際に
新たに生まれるものに気づく。

足下を見つめる。
その足がほんとうはどこに向おうとしたいのかに気づく。
新たに生まれるものに気づく。

それは別離というよりも
次なる発展への新たな跳躍へと結ぶものになるだろう。
そうなりたい。

4月。
きっかけは震災後に
やはり田代さんにお声がけいただいた
滋賀県琵琶湖ホールにてバンダナ・シバ博士の
『地球民主主義』のお話に魂が震えたことだった。

その後
シバ博士の言葉一つ一つが頭のなかにめぐりめぐり
東京に向って戻りひた走る車中で運転しながら
ただただ考え込んだ。

私たちは何によって作り上げられていくものなのだろう。

生命中心の経済
生命中心の民主主義
生命中心の文化

これらは現代社会が背反離反せずに至ることのできる道だろうか。

Globalに考え
Localに行動する
地球上の生命民主主義が守られる道について
これまでの
近代化
都市化
産業化について考え行動する。

そのようなことごとはどこから端緒につくのだろう。

まずは「食」。

私たちが日々摂取するもの。

食べものが私たちの思考する「脳」の力を
食べものが私たちの行動する「身体」の力を
食べものが私たちの安定する「心」の力を与えてくれる。

「食」は生きたものでなくては
私たちに生命力を吹き込んではくれない。

そのためには日々の『生きた民主主義活動』が必要だ。

それはシバ博士が量子物理学のご専門であることからも
万物の連携ーすべてはつながりあっているーという
真なる芯価を大らかに愛をもって謳い上げてくださったのだった。

涙で舞台上のシバ博士の姿が幾度も霞んだ。

講演抄録は次回にしるしていきたいと思う。

ーモノからコトへーとこれまで幾度ビジネスの場の
ブランディングの仕事で唱えて努めてきたことだろう。
そのーモノからコトがココロへーと繋がらなければ
人の生成には何も役立たない。

ココロとビジネスがこれまでは別領域のものだと
よくいわれた。

「ココロばかりでは食べていけないのだ」という人がいる。
「仕事ですから」といわれてココロ失ったことも幾度かあった。
そのような辛い思い出を誰しも幾つかは抱えているのではないか。

5月。
心を逞しくしなさいという天からの導きか
幸福なことにご縁あって元麻布にかわいらしい農園が誕生した。



今はもう緑深々となすもえんどうも豊作だ。

そのほんの一部をお借りしてこれから日々
心を耕していきたいと思う。

8月。
永らく旅をしてきた。
今日種をまく。
一粒万倍日。
コンパニオンプランツからはじめよう。



滋賀琵琶湖でのご講演の際にシバ博士の前に
ザンビアで自然農法の農業指導を進められ
広く文化教化に努めておられる
尊敬申し上げるアラン今井先生がおっしゃった。

「ムンシ・ムンシ・ペー・ペー」

「後戻りはしない 前進する」

そのような意味の土地の言語だと教えていただく。

種を蒔く時にそのように唱えよう。
種に約束して土に語りかけながら未来の光を見つけたい。

はじめて元麻布農園に行く日の朝
玄関先の目の前で蝶が羽ばたいた。




蝶が植物にプロテインを届けてくれる
その恵みの吉兆に
光と水と思いを込めて
自然のあるがままに生命を守ることができますように。